役職 | 事務長 |
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業務内容 | 経理 |
性格 | |
休日の過ごし方 |
今回は前回に引き続き、特別企画として創業当時の日鐵鋼業を知るメンバーに当時の想い出や今後の展望を語ってもらいました。Vol.12の今回は、日鐵鋼業株式会社 会長 能登 尚の妻であり事務長として経理業務を担当している能登寿子です。
日鐵鋼業 創業秘話 ~ Part2 ~
創業者 能登 尚との出会い
昭和30年代、創業者の能登 尚(現会長)は大阪で親族が営む金属加工の会社を手伝っていました。
当時、私の親戚も大阪で雑穀の卸業を営んでいたのですが、その家に間借りしていたのが会長です。周囲から「仕事をよく頑張るいい人だ」との勧めがあり、結婚の話がトントンと進みました。
昭和39年 会長の生まれ故郷である福山に戻り、日鐵鋼業株式会社の前身である「日和(にちわ)商事」を設立しました。この「日和」という社名は「毎日を平和に」という願いを込めて付けられた名前です。
訪れた経営の危機
福山で事業を始めてから間もない頃、主力な取引先が倒産するという事件が起こりました。ほとんどの手形が不渡りになってしまい、一文無し同然のような状態に陥りました。この先どうしたらいいのか途方に暮れた瞬間でした。
ですが、「このまま会社を潰してたまるものか」という想いで一念発起し、単価が安く少ない資本で始められるボルトやナット等の部品を取り扱う卸業を始めました。大阪時代のつてを通じて商品を仕入れ、福山で取引先を開拓する日々の始まりです。
福山で奮闘する日々
当時は従業員もおりませんから、会長と私の2人だけです。これを言うと驚かれるのですが、私も自らトラックに製品を積み込んで朝の5時から配達に出かけていました。まだ夜の明けてない街は真っ暗ですから、怖くて隣に犬を乗せて出かけていたのを覚えています。
そうしていくうちに、少しずつうちと取引をしてくださるお客様が増えていきました。配達中に同業者のトラックを見つけたら、こっそり後を付けてどこに納品しているのか確かめるなんてこともしていました(笑)。
なにせ2人しかおりませんので、「自分が頑張らないと」という気持ちが強かったんです。
経営的な状況は非常に厳しかったのですが、「こんな事で負けるか」「もう一回最初からやろう」と根性だけは据わっていましたね。当時目標としている会社があって、「いつかこの会社よりも大きい会社にしたい」と強く思っていたのを覚えています。
成長していく会社
その後、福山でもボルトやナットを取扱う会社が次第に増え、単価がどんどん下がっていきました。ちょうどその頃、大阪で鋼材の販売をしていた知人から「切板(鋼板)を扱ったらどうか」と勧められたんです。
当時はまだこの近辺でそういったことを行う会社はありませんでしたので、とにかくやってみようという思いで鋼板の取扱を始めました。
そこで3人の従業員が入り、5人体制になりました。少しずつ設備や取扱品目も広がっていき、新しい取引先が増えていくにつれ取引の規模も大きくなっていきました。
工場が手狭になったため、昭和56年に現在の所在地である曙町に移転しました。業態や取扱品目は次第に変わっていきましたが、昔からの付き合いがあるお客様も長く取引を続けてくれました。
順風満帆に見えるかもしれませんが当時はまだまだ経済的に不安定な状況もあり、アンカーボルトを配達に行くと工場には誰もおらず、「ここは倒産したんだよ」と他人から教えられて愕然とする、といったこともありました。
そんな紆余曲折を経て、現在に至ります。こうして言葉にするとあっという間ですが、一つひとつの思い出は忘れることのできない印象的な出来事ばかりでした。
これまでを振り返って
本当に働き通しの人生だったと思います。社員の中には「事務長がいたからうちの会社がある」と言ってくれる人もいますが、そんなことはありません。
辛い時でも一生懸命働いてくれた従業員や、人との関わりをとても大切にして心を配ってきた会長の人柄があったからこそ、今でもお取引を続けてくださるお客様に恵まれているんだと思います。
会長は現在は引退していますが、会社に来られるたびに「会長は元気か?」と声をかけてくださる昔からの取引先の方もいらっしゃいます。わたしは「あんた、まだおるんか」と言われます(笑)。
今では社員も増え、多くのお客様に可愛がっていただけるようになりました。当時私が思い描いていたよりもずっと大きく、価値のある会社に成長してくれたと思います。
これからは、無理のない範囲で事務所の中から会社のサポートをしていきたいと考えています。
社員へのメッセージ
社員の皆には、言葉に言い表わせないほど感謝しています。毎日、すごくよく頑張ってもらっています。朝早くから来てくれる人もいるし、夜遅くまで残っている人もいる。彼らのおかげで、今の日鐵鋼業があると思っています。
「体に気を付けて、これからも一緒にがんばってほしい」という気持ちで一杯ですね。
これからもよろしくお願いします。
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